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コラム2026.10.15

なぜ「移動する防災無線」なのか

ボイスリンクドローンを一言で説明するとき、私たちは「移動する防災無線」という言い方をしています。なぜこの言葉を選んだのか、少し背景をお話しします。

防災無線が届かない場所がある

防災行政無線は、多くの自治体で避難情報や注意喚起を伝える中心的な手段です。ただ、スピーカーは集落の中心部や公共施設に設置されていることが多く、中州、沖合、山裾の畑、長い海岸線の端までは、どうしても声が届きにくい場所が残ります。

広報車にも、行けない時がある

その隙間を埋めてきたのが広報車です。しかし、道路が冠水すれば出られませんし、増水した河川敷や出没直後の山林には、そもそも職員が近づけません。「伝えたい相手がいるのに、声を届ける手段がない」場面が、現場には確かにあります。

置き換えるのではなく、補う

ボイスリンクドローンは、既存の防災無線や広報車を置き換えるものではありません。固定の放送設備が届かない範囲へ、必要な時だけ移動して声を届ける。既存の広報体制への「上乗せ」として使っていただくことを前提にしています。

海水浴場での運用イメージ

たとえば夏の海水浴場。遊泳区域の境界旗より沖に出てしまった人に、ライフセーバーの声は届きません。そこで機体を対象の上空20〜50mに移動させ、「境界旗から先に出ないでください」と呼びかける。これだけで、ライフセーバーが泳いで向かうより早く、安全に注意を伝えられます。

2027年夏には、泉南市のタルイサザンビーチ海水浴場での本格運用を予定しています。実際の運用の様子も、順次お伝えしていきます。